正解:(3)
解説:どの導体にもお互いに同じ大きさの力が働くので、図のように導体A,B,Cと名付け、導体Cに働く力を代表して考える。まず、磁気①の通り、無限直線導体に電流が流れる時には、右ネジの法則に従い、磁界が出来るので、導体A及び導体Bによって出来る磁界は図のようになる。(ちなみに、導体にある○に×が付いた記号は電流の向きを表しており、これは手前側から奥側への電流を意味する。(参考:指示計器①解答))これで、導体Cに対しての磁界の向きが分かり、導体Cの電流の向きも分かるので、導体Cに働く電磁力の向きが分かる。電磁力②の通り、フレミング左手の法則に従って、導体Cに働く電磁力の向きはそれぞれ青矢印と赤矢印の向きになる。(大きさは同じで、これをFとする)つまり、導体A及び導体Bと互いに引き合う方向へ電磁力が働く。この2つの力を合成すると、F₀=F×cos30°×2である(sin30°成分は互いに打ち消す)。
設問にて$F=\frac{2I^2}{r}×10^{-7}$が与えられているので、
F₀=F×cos30°×2=$\frac{2I^2}{r}×10^{-7}×\frac{\sqrt{3}}{2}$×2=$\frac{2×7^2}{0.1}×10^{-7}×\frac{\sqrt{3}}{2}$×2≒$1.70×10^{-4}$
したがって、正解は(3)である。
ちなみに今回は設問が親切で$F=\frac{2I^2}{r}×10^{-7}$を与条件として与えてくれたが、場合によっては自分で計算する必要がある。
磁束密度B[T]の中で、直交する電流I[A]が流れる導体の長さがL[m]であるとき、働く力はF=IBL[N]であり、磁束密度B[T]と磁界の大きさH[A/m]にはB=μHの関係が成り立つ。また、真空中の透磁率μ₀=$4π×10^{-7}$であり、無限延長導体の電界の大きさH=$\frac{I}{2πr}$であるので、
F=IBL=I・μ₀H・L=$I・4π×10^{-7}・\frac{I}{2πr}・L=\frac{2I^2L}{r}×10^{-7}$となり、設問の通り、導体1[m]あたりだと、L=1[m]を代入して、$F=\frac{2I^2}{r}×10^{-7}$と算出できる。