ポンプ用電動機の出力・入力②(過去問にチャレンジ)解答

正解:(4)

解説:ポンプ用電動機の出力・入力①の通り、1秒間にQ[m³]の水を全揚程H[m]までくみ上げるのに必要な電動機の入力$P_{in}$は、水の密度を1.0×10³[kg/m³]、重力加速度gを9.8[m/s²]、ポンプ効率を$η_p$、余裕を見込む係数をk、電動機効率を$η_m$とすると、

$P_{in}$=$\frac{9.8kQH}{η_pη_m}$[kW]

で求められるので、間違いなく覚えていて、使いこなせる人はこの公式を使っても良いが、原理・原則を理解していれば、特に公式は不要なので、今回は公式を一旦置いておき、解いていく。

まず、必要なアウトプット(仕事量)は80[m³/h]の水を40.4[m](40(実揚程)+0.4(配管による圧力損失)の合計)持ち上げることであるので、1秒間あたりの仕事量は

80[m³/h]÷3600[s/h]×1.0×10³[kg/m³]×9.8[m/s²]×40.4≒8.80×10³[J/s]=8.80×10³[W]=8.80[kW]・・・①

この必要なアウトプット(仕事量)に対して、ポンプによる損失や電動機自体の損失があるため、電動機入力を$P_{in}$[kW]とすると、実際に仕事をするアウトプットの仕事量は

$P_{in}$×ポンプ効率×電動機効率・・・②

であり、ポンプ効率や電動機効率の分だけ、入力に対する出力が低下する。この値が、先程の必要なアウトプット(仕事量)のことであるので、①=②が成り立ち、

$P_{in}$×ポンプ効率×電動機効率=8.80

$P_{in}$=$\frac{8.80}{ポンプ効率×電動機効率}$

$P_{in}$=$\frac{8.80}{0.72×0.93}$

$P_{in}$≒13.14[kW]

したがって、選択肢の中で最も近いものは(4)13.1である。

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