原子炉総合①(過去問にチャレンジ)解答

正解:(1)

解説:軽水炉①の通り、軽水炉では原子燃料に低濃縮ウランを用い、冷却材と減速材に軽水を用いている。また、原子炉内で軽水を沸騰させることで直接蒸気を発生させ、それをタービンに供給する沸騰水型原子炉と、原子炉からは一次循環系として高温・高圧の温水(軽水)が循環し、蒸気発生器により熱交換して二次側系統で蒸気を発生しタービンに供給する加圧水型原子炉がある。

原子力発電所の安全対策①の通り、燃料の大部分を占める238Uは、ある特定の範囲のエネルギーをもつ中性子に対して強力な吸収作用を示すが、温度が上昇すると、このエネルギー範囲が拡大し、より多くの中性子に対して強力な吸収作用を示し、中性子がどんどん吸収されていくことで、それ以上、核分裂反応していくことを抑制し、出力を下げる。このことをドップラー効果という。

ちなみに、ボイド効果もドップラー効果と同様に原子力発電所における自己制御であり、ボイド効果では、沸騰水型の原子炉で核分裂が過剰になり、温度上昇すると、沸騰により蒸気泡ボイドが発生し、これにより中性子に対する減速効果が低下し、核分裂反応していくことを抑制し、出力を下げる。

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