指示計器(過去問にチャレンジ)解答

正解:(a)(5)、(b)(1)

解説
(a)指示計器③の通り、電流力計形の電力計であり、交流直流両方を計測できる。原理は、負荷に接続された固定コイルには負荷電流が流れるため、固定コイルにより負荷電流に比例した磁束が発生する。可動コイルへは電源電圧に比例したIMが流れる。この磁束と電流IMにより電磁力が発生し、可動コイルが動くので、電流と電圧に比例した、つまり負荷電力に比例した指示値を返す。
誘導性負荷に接続した場合は、電流は遅れ位相になるため、図2の③が電流の位相である。
したがって、正解は(5)

(b)ベクトル図より$\dot{V_{bc}}=\dot{V_{b}}-\dot{V_{c}}$となる(※$\vec{bc}=\vec{c}-\vec{b}$のように、終点-始点となることを数学で学んだと思うが、ここでは、名前が振られているだけと割り切って考える)。
次に、ベクトルのなす角を求める。三相交流①の通り、相電圧と線間電圧はπ/6だけ位相差があるので、図4のφを足したり引いたりすればよい。$\dot{V_{ac}}と\dot{I_{a}}$のなす角はπ/6-φ、$\dot{V_{bc}}と\dot{I_{b}}$とのなす角はπ/6+φとなる。よって、
P1= Vca Iacos(π/6-φ)
P2= Vbc Ibcos (π/6+φ)

加法定理①より、
P1= Vca Iacos(π/6-φ)= VI(cosπ/6 cosφ+sinπ/6 sinφ)
P2= Vbc Ibcos (π/6+φ) = V I(cosπ/6 cosφ-sinπ/6 sinφ)
したがって、P= P1+P2=VI×2cosπ/6 cosφ=2VI×√3/2 cosφ=√3VI cosφ

上記を組み合わせると正解は(1)