変圧器の結線③(過去問にチャレンジ)解答

正解:(2)

解説:各変圧器の結線方法による特徴をおさらいする。変圧器の結線①より

【Δ-Δ結線】

・一次、二次側両方ともΔ結線としているので、線間電圧に位相差を生じない。

・Δ結線では励磁電流の第3高調波が環流できるので、正弦波電圧を巻線に誘起することができる。

・Δ結線では中性点が引き出せないので、中性点接地をする場合には、別に接地変圧器を設置する必要がある。

【Δ-Y結線】

・一次側をΔ結線、二次側をY結線としているので、線間電圧は30°の位相差を生じ、線間電圧の大きさは、二次側が一次側の√3倍となり、昇圧用に用いられることが多い。

・二次側のΔ結線にて励磁電流の第3高調波が環流できるので、正弦波電圧を巻線に誘起することができる。

また、変圧器の結線②より

【Y-Δ結線】

・一次側をY結線、二次側をΔ結線としているので、線間電圧は30°の位相差を生じ、線間電圧の大きさは、二次側が一次側の1/√3倍となり、降圧用に用いられることが多い。

・一次側のΔ結線にて励磁電流の第3高調波が環流できるので、正弦波電圧を巻線に誘起することができる。

・Y結線より中性点を引き出して、接地できる。

【Y-Y結線】

・一次、二次側両方ともY結線としているので、線間電圧に位相差を生じない。

・Y結線より中性点を引き出して、接地できる。

・Y結線だけでは励磁電流の第3高調波が環流できないため、正弦波電圧を巻線に誘起することができない。これを解消するために、三次にΔ巻線を設けた、Y-Y-Δ結線にすることで、Δ結線に第3高調波を環流させ、正弦波電圧を誘起することができる。

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