トランジスタのバイアス方式①解答

正解:(2)

解説:図の回路は固定バイアス回路といい、ベース電圧はVBB=Vcc-RB×IBである。このベース電圧VBBは、電源Vccと抵抗RBが決まれば、ほぼ一定に固定されるので、固定バイアスと呼ばれる。

トランジスタ、ひいては半導体は、温度が上昇すると導電率も上昇する性質があるため、トランジスタは流れる電流によるジュール熱により発熱すると、導電率も上昇するので、流れる電流が更に大きくなり、その電流により更に大きなジュール熱が発生するという熱暴走が発生する。この熱暴走に対して今回の固定バイアス回路は抑止力が少なく、温度変化に対しては不安定になる。この変化に対して安定させる回路について後の設問で説明する。

ちなみに、一般金属では導電率①抵抗②からわかるように、温度が上昇すると抵抗率が上がり、導電率は小さくなる。温度が上昇するということは、金属原子の熱運動が活発になるということであり、活発になった金属原子の熱運動により、自由電子の流れが妨げられるからである。一方で、半導体の場合には、温度が上昇すると、原子の熱運動が激しくなるのは金属と同様であるが、それにより原子間の共有結合の拘束力が弱くなるため、自由電子や正孔の数が増えるため、半導体は温度上昇に伴い、導電率が上昇する。

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