トランジスタの接地方式と電流増幅率③解答

正解:(5)

解説:トランジスタにおける○○接地方式は、3端子のうち、どの端子を共通端子としているかで見分ける。なので、本設問では、実際に接地が図示されている訳ではないが、コレクタCが共通端子になっているので、コレクタ接地方式である。

また、トランジスタ①の通り、エミッタから放出された電子は少しだけベース内の正孔と結合するが、ほとんどはコレクタ内の正孔と結合し、その割合が設問に記載のある、α=0.95~0.995である。つまり95%~99.5%の電子はエミッタからコレクタに流れることになる。この数値が“ほとんど”という表現の定量化した数値である。また、αはエミッタ電流に対するコレクタ電流の比であるので、⊿IC/⊿IEである。

ここで、今回の3端子回路に戻ると、入力側はベースに流れる電流であり、出力側はエミッタに流れる電流である。ベースに流れる電流はエミッタから流れる電流のうち、コレクタへ流れる電流を差し引けばよいので、⊿IB=⊿IE-⊿IC=1-α=1-(0.95~0.995)=0.005~0.05となる。

したがって、入力(⊿IB)に対する出力(⊿IE)の倍率は$\frac{1}{1-α}=\frac{1}{0.05}~\frac{1}{0.005}=20~200$となる。

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