正解:(4)
解説:半導体①にあるように、半導体(Siケイ素やGeゲルマニウムなど)は4価(価電子(最外殻電子)が4つ)の原子なので、原子同士がお互いに4つの価電子を共有し、共有結合を形成するが、一部の共有結合から電子が脱け出し、自由電子として挙動することで、電気を流す性質をもつ。このとき、元々共有結合があった箇所から自由電子が1個抜けた箇所は、共有結合として電子が1個欠乏している状態であり、穴が開いた状態と比喩して正孔(ホール)と呼ぶ。また、自由電子や正孔のことを電荷の運び手という意味でキャリヤという。
化学の復習になるが、原子において(原子量が小さいHやHeなどを除き)、最外殻電子が8個になる状態が安定した状態であるので、最外殻電子を他の原子に渡したり、逆にもらったりして最外殻電子を8個に調整しようとする。
そのなかで、半導体のような最外殻電子が4つの原子では、お互いに4つずつの最外殻電子を共有し合い、見掛け上、それぞれの最外殻電子が8つずつあるように調整する。これが共有結合である。この共有結合は、名前の通り電子を共有した結合のため、各原子同士の間に位置し、本来の最外殻電子より離れた位置に属する。このため、通常の最外殻電子より原子核(陽子)からの拘束力が弱くなり、自由電子として共有結合を脱け出す電子が出てくる。ただし、C炭素のように原子量が小さい原子は原子核(陽子)と共有結合をしている電子の距離も近く、拘束力が強いため、自由電子として脱け出す電子がなく、絶縁体としての性質を示す。