変圧器の計算(過去問にチャレンジ)解答

正解:(a)(5)、(b)(3)

解説

(a):方針は、

省エネ基準達成率(%)=$\frac{基準エネルギー消費効率}{W_i+W_{C40}}$×100・・・①

の式に与条件を代入することで、40%負荷時の負荷損$W_{C40}$を求め、変圧器の効率①の通り、負荷損は電流値、つまり負荷率の2乗に比例するので、

$W_{C40}$×${(\frac{100}{40})}^2$・・・②

により、定格(100%負荷時)の負荷損を求める。

与条件で与えられた、基準エネルギー:1,250[W]と、更新後の変圧器における省エネ基準達成率:140[%]、無負荷損:$W_i$=150[W](変圧器の効率①の通り、無負荷損は負荷率の影響を受けず一定である)を①式に代入すると、

140=$\frac{1250}{150+W_{C40}}$×100

1.4(150+$W_{C40}$)=1250

1.4$W_{C40}$=1040

$W_{C40}$≒743[W]

これを②に代入して、

743×${(\frac{100}{40})}^2$≒4,643[W]

したがって、選択肢の中で最も近いのは(5)4640である。

(b):300kWで遅れ力率0.8の負荷が接続されているので、有効電力,無効電力,皮相電力①の通り、

皮相電力=300÷0.8=375[kV・A]である。

したがって、定格容量500[kV・A]の変圧器に対して負荷率は$\frac{375}{500}$×100=75[%]である。

変圧器の効率①の通り、負荷損は電流、つまり負荷率の2乗に比例し、無負荷損は負荷率に関係なく一定であるので、更新前の変圧器の全損失は

W₁=6700×(0.75)²+500≒3769+500=4,269[W]

更新後の定格負荷損は(a)で求めた通り、4,643[W]であったので、同様に更新後の変圧器の全損失は

W₂=4643×(0.75)²+150≒2612+150=2,762[W]

したがって、W₂のW₁に対する比率は

$\frac{W_2}{W_1}=\frac{2762}{4269}$≒0.647=64.7[%]

よって、選択肢の中で最も近いのは(3)65である。

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