架空電線路の弛度①解答

正解:(4)

解説:架空電線は、直線上にピンと張るのではなく、たるみ(弛度:ちど)を持たせて架設することで、温度による熱収縮を吸収したり、電線に張力が掛かり過ぎるのを防止したりする。

電線の弛度をD[m]、径間(支持物間の距離)をS[m]、電線1mあたりの荷重をW[N/m]、電線の許容引張荷重をT[N]とすると、電線の弛度はD=$\frac{WS^2}{8T}$[m]で表せる。よって、弛度は張力に反比例して、荷重に比例、径間の2乗に比例する。感覚的にも、ピンと張る、つまり張力を掛けるほど、弛まなく、荷重や径間が大きくなるほど、弛んでくるというイメージがつく通りである。

また、電線の許容引張荷重=$\frac{電線の引張強さ}{安全率}$であり、

電線の引張強さを安全率(高圧架空電線の引張安全率①の通り、2.2または2.5)で割った値が、許容引張荷重であり、安全率の分だけ、実際の電線の引張強さより小さい値となる。

また、電線1mあたりの荷重をW[N/m]は電線自体の自重だけでなく、氷雪荷重や風圧荷重など、その他の要素も含めた合成荷重であるので、設問に合わせて、合成荷重を求めてからW[N/m]へ代入することに注意する。

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