解説:図のように増幅器と帰還回路から構成される回路を発振回路と呼び、直流電源を入力することで、自ら交流信号を出力し、クロック信号や通信での搬送波などに用いられる。
増幅器では入力信号に対する増幅信号が出力され、帰還回路では発振を持続したい周波数だけを選択して増幅器の入力へ正帰還させる。(正帰還とは入力信号と同位相で帰還信号を戻すことである。)これを繰り返すことで、帰還回路で選択した周波数だけの出力に限定され、また、永遠に無限大になるまで増幅されるわけでなく、やがて飽和して出力電圧も一定に落ち着き、この信号が持続的に出力され続ける。
増幅器での増幅度をAとし、帰還回路での帰還率をβとすると、発振条件として、Aβ≧1を満たす必要がある。(出力信号に対してAとβが掛け合わされて再度出力信号に戻ってきているので、Aβ=1で同じ信号が戻ってきて、-1<Aβ<1だと、減衰して、やがて信号が消滅してしまう。Aβ<-1だと、位相がコロコロ反転して、求める規則的な出力信号が得られない。)
また、発振回路の回路構成を見て分かる様に、出力を入力に戻す回路だけで、最初のきっかけとなる入力信号を入れる回路が存在しない。このきっかけ信号は、発振回路に電圧を印加した時に生じるノイズなどであり、このノイズから帰還回路で、欲しい周波数信号だけを選択して増幅器へ戻すことで、信号を出力している。