過渡現象 RLC回路①(過去問にチャレンジ)解答

正解:(5)

解説:スイッチSを閉じる前には、コンデンサに充電される回路構成になっており、定常状態ではコンデンサに満充電状態(コンデンサの電圧が1V)になっている。

この状態からスイッチSを閉じると、左側の回路では再び1Vの直流電源により電流が流れ始め、過渡現象 RL回路③の通り、i=ER(1eRLt)[A]の電流が流れる。ここで、電源電圧E=1[V]、抵抗R=1[Ω]、コイルのインダクタンスL=1[H]であるので、

i=11(1e11t)=1et[A]の電流が流れる。

また、右側の回路では、満充電状態のコンデンサから電源が切り離され、充電されていた電流がRC回路に放電され、過渡現象 RC回路④の通り、i=ERe1CRt[A]の電流が流れる。ここで、電源電圧E=1[V]、抵抗R=1[Ω]、コンデンサの静電容量C=1[F]であるので、

i=11e11×1t=et[A]の電流が流れる。この時の電流の向きは充電されていた時に流れていた電流の方向を正方向としているので、設問の通り、iS[A]の流れる方向を正方向とすると、符号を反転させて、

i=et[A]と表現出来る。

左回路と右回路の電流の和が求める電流[A]であるので、

iS=i+i=1et+et=1[A]

したがって、時間変化に関係なく1[A]が流れ続けるので、正解は(5)の波形である。

左回路単独の波形と右回路単独の波形は下図のようになっており、線対称な波形が合算されることで、どの時間でも一定の電流となった。

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