過渡現象 RL回路③解答

正解:(4)

解説:$L\frac{di}{dt}+Ri=E$という微分方程式を解くことで、

$i=\frac{E}{R}(1-e^{-\frac{R}{L}t})$

を導くことができるが、微分方程式の導出過程は覚えなくても良いので、過渡電流の値として上記の式を覚えておいて欲しい。

興味のある方へ、以下に微分方程式での導出過程を示す。

まず、コイルにおける電圧は電流の変化量に比例して大きくなり、コイルのインダクタンスをL[H]とすると、$V_L=L\frac{di}{dt}$と表現出来る。

また、抵抗での電圧は流れる電流と抵抗の積であるので、$V_R=Ri$となる。

このコイルと抵抗の電圧の和が電源電圧Eと等しいので、先程の

$L\frac{di}{dt}+Ri=E$という微分方程式が出来る。

この方程式を式変形していく。

$L\frac{di}{dt}=-Ri+E$

$\frac{di}{dt}=-\frac{R}{L}i+\frac{E}{L}$

$\frac{di}{dt}=-\frac{R}{L}(i-\frac{E}{R})$

$\frac{1}{i-\frac{E}{R}}di=-\frac{R}{L}dt$

ここで両辺を積分すると、

$log_e(i-\frac{E}{R})+A=-\frac{R}{L}t+B$(ただし、A及びBは積分定数)

$log_e(i-\frac{E}{R})=-\frac{R}{L}t+D$(積分定数AとBをDとしてまとめた。Cはコンデンサの静電容量と紛らわしいので、Cを飛ばして、Dで表現)

$i-\frac{E}{R}=e^{-\frac{R}{L}t+D}$

$i=\frac{E}{R}+e^{-\frac{R}{L}t+D}=\frac{E}{R}+e^D×e^{-\frac{R}{L}t}$

ここで、積分定数Dによる$e^D$を求めるために、初期値(t=0、i=0を代入する)

$0=\frac{E}{R}+e^D×e^0$

$0=\frac{E}{R}+e^D$

$e^D=-\frac{E}{R}$

したがって、

$i=\frac{E}{R}-\frac{E}{R}×e^{-\frac{R}{L}t}=\frac{E}{R}(1-e^{-\frac{R}{L}t})$

となる。

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