正解:(1)
解説:電荷②の通り、帯電している導体球は周りの状況により相対的に電荷量が小さいと、もともと帯電していた電荷に加えて、新たに正と負の電荷を発生する。そのため、帯電している導体に対して、電気力線が入ることも出ることもある。 ただし、最初から帯電していた電荷量は変わらず、電気力線の出入りを差し引いた総数で判断できる。
図の導体球から出る電気力線が9本で、導体球へ入る電気力線が1本であるので、差し引くと出る電気力線が8本多い。よって、正に帯電しており、Q>0である。また、電気力線③の通り、電気力線では矢印の大元ほど電位が高く、先の方ほど電位が低い。よって、上側電極から出た矢印が導体球に入っているため、上側電極つまりEの方が導体球の電位つまりUよりも大きい(U<E)。
次に導体球の電位について考える。図の通り、上側極板の電位は+E[V]であり、下側極板の電位は-E[V]である。また、電位(電圧)V=Ed(E:電界の大きさ[V/m]、d:距離[m])の関係が成り立ち、今回の導体球は、上下極板の中心にいるため、上側極板と導体球及び、下側極板と導体球との距離は等しいため、残りは電界の大きさEに依存する。電気力線③の通り、電界の大きさは電気力線の密度に比例するので、図から見て明らかだが、上側極板と導体球の間よりも下側極板と導体球の間の電気力線の密度の方が高い。したがって、電界の大きさは下側極板と導体球の間の方が大きいため、導体球の電位はE[V]と-E[V]の中間である0[V]よりもE[V]側寄り、つまり、0<Uとなる。
よって、0<U<Eが成り立ち、先程のQ>0と合わせて、正解は(1)である。