電圧形インバータの特性②(過去問にチャレンジ)解答

正解:(a)(2)、(b)(2)

解説

(a):まず、IGBTの特性①の通り、IGBTはゲートに電圧を印加した時に、コレクタ側からエミッタ側へ電流を流すスイッチング機能を持ち、これを組み合わせてインバータを作成しているのが、図の回路である。また、電圧形インバータの特性①の通り、電圧は方形波となるが、負荷がRL回路であると、L(コイル)の特性上、同じ向きに電流を流し続けようと働くので、急激に電流が反転することはなく、徐々に電流が減少してから反転して徐々に電流が増えるため、電流グラフ方形波にはならず、時定数τ=L/R[s]の曲線となる。この電流のグラフで、スイッチを切り替えた瞬間では、同じ方向に電流が流れるために、スイッチと並列接続された還流ダイオードを通過して、電源側へ電流が戻る。この流れを①~④の範囲について順に整理していく。まず、分かりやすく②の状態から始まったと仮定する。

②では、負荷に対して上から下へ電圧が印加され、また、上から下へ電流が流れているので、図のようにONになったQ₁とQ₄を電流が通過していく。

次に③では、Q₁とQ₄をOFFにして、Q₂とQ₃をONにした瞬間である。このとき、電圧は下から上へ印加されるが、電流は先程の②の状態を保持しようと負荷のコイルが働くため、還流ダイオードD₂とD₃を通過して、電流が流れる。(電流が正の間)

次に④では、③で流れていた正の電流が0になり、負の電流(負荷を下から上へ)が流れ始めるので、ONになったQ₂とQ₃を電流が通過していく。

次に①では、Q₂とQ₃をOFFにして、Q₁とQ₄をONにした瞬間である。このとき、電圧は上から下へ印加されるが、電流は先程の④の状態を保持しようと負荷のコイルが働くため、還流ダイオードD₁とD₄を通過して、電流が流れる。(電流が負の間)

したがって正解は(2)である。

(b):電圧形インバータの特性①の通り、時定数τ=L/R[s]であるので、

τ=0.002/1=0.002[s]

したがって正解は(2)である。

時定数は電源電圧には影響されないので、与条件の100Vを無理に使わないように注意する。

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