伝達関数とボード線図①(過去問にチャレンジ)解答

正解:(2)

解説

(a):伝達関数①の通り、伝達関数は入力に対する出力の比なので、特に覚えるほどのことではなく、設問に合わせて回答すればよい。今回は入力電圧に対する出力電圧を求められているので、直列に接続されたRLC回路の中で、キャパシタンスCに印加される電圧が出力電圧V˙oであり、これを入力電圧V˙iで表現すればよい。設問の与条件では与えられていないが、選択肢のなかにωの記載があるので、角周波数ω[rad/s]を使って表現していく。

RLC回路①の通り、L[H]のコイルのリアクタンスはjωL[Ω]であり、C[F]のコンデンサのリアクタンスはj1ωC[Ω]である。これら、R[Ω]、jωL[Ω]、j1ωC[Ω]の直列回路のうち、j1ωC[Ω]の電圧が出力電圧V˙oであるので、

V˙oj1ωCR+jωLj1ωCV˙i

分子・分母にjωCを掛けて、(j²=-1なので)

V˙o1jωCRω2LC+1V˙i

V˙o11ω2LC+jωCRV˙i

したがって、G(jω)(=V˙oV˙i)=11ω2LC+jωCRであり、(2)が正解。

(b):まず(a)で求めた伝達関数G(jω)(=V˙oV˙i)=11ω2LC+jωCRにR=1Ω,L=0.01H,C=100μFを代入すると、

G(jω)=11ω2×0.01×100×106+jω×100×106×1=111.0×106ω2+j1.0×104ω

ここで、ボード線図①の通り、y軸のゲイン[dB]は、20log10| G(jω)|であるので、

20log10|111.0×106ω2+j1.0×104ω|の角周波数特性を整理する。

グラフの中での、分かりやすい代表ポイントを実際にゲインの式に代入しながら考えていく。まず、ω=100[rad/s]のとき、

20log10|111.0×106ω2+j1.0×104ω|

20log10|111.0×106×1002+j1.0×104×100|

20log10|10.99+j0.01|ここで、|0.99+j0.01|=0.992+0.012≒0.99≒1であるので、

20log10|10.99+j0.01|20log101ここで、log101=0であるので、(100=1ということ)

20log101=0[dB]

ω=100[rad/s]のときに、0[dB]となるのは(4)と(5)に絞られる。

次に、ω=1,000[rad/s]のとき、

20log10|111.0×106ω2+j1.0×104ω|

20log10|111.0×106×10002+j1.0×104×1000|

=20log10|1j0.1|20log1010=20×1=20[dB]

先程の(4)と(5)のうち、ω=1,000[rad/s]のときに、20[dB]となるのは(4)である。

念のため、確認でω=10,000[rad/s]のとき、

20log10|111.0×106ω2+j1.0×104ω|

20log10|111.0×106×100002+j1.0×104×10000|

20log10|199+j|ここで、|-99+j|=992+12≒99≒100であるので、

20log10|199+j|20log101100=20×(-2)=-40[dB]

先程の(4)はω=10,000[rad/s]で-40[dB]になっているので、問題ない。

したがって、正解は(4)

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