電気加熱の種類⑥(過去問にチャレンジ)

正解:(5)

解説

(1)電気加熱の種類①(抵抗加熱)の通り、抵抗加熱とは、電流を流した時のジュール熱(抵抗R[Ω]で電流I[A]が流れた時のジュール熱=RI²[W])で加熱する方式である。正解。

(2)電気加熱の種類②(アーク加熱)の通り、アーク加熱とは、電極間に発生するアークによる発熱を利用する。被加熱物を一方の電極として加熱する直接加熱式と、専用の間接間に発生するアーク熱を利用して被加熱物に伝える間接加熱式がある。正解。

(3)電気加熱の種類⑤(赤外加熱)の通り、赤外加熱とは、波長780[nm]~1[mm]の赤外線を利用した加熱のことであり、このうち、780[nm]~4[μm]を近赤外線といい赤外電球などが該当する、また、4[μm]~1[mm]を遠赤外線といい遠赤外ヒータなどが該当する。正解。

(4)電気加熱の種類④(誘電加熱)の通り、誘電加熱とは、高周波電界中に絶縁性の物体(誘電体)を置いて、誘電体損(絶縁体中の分子が外部電界により誘電分極が繰り返されることで生じる発熱)で物体を加熱する方式である。正解。

(5)電気加熱の種類③(誘導加熱)の通り、誘導加熱とは、交番磁界中に導電性の被加熱物を置き、電磁誘導作用により渦電流を発生させて、その渦電流損やヒステリシス損により加熱する。設問では印加磁界と記載があり、磁界を印加しただけではNGであり、あくまで交番磁界が必要。また、銅などのように導電性があって、渦電流により誘電加熱できる材料でも非磁性体のものもあるので、必ずしも鉄のように導電性と強磁性の両方を備え持つ訳ではない。したがって、(5)が誤り。

問題を選ぶ