電力変換回路①(過去問にチャレンジ)解答

正解:(3)

解説:(1)~(5)の回路で、それぞれどの様な出力電圧を得られるか考える。まず、ダイオードの特性①サイリスタの特性①の通り、ダイオードは三角形を矢印に見立てた時に、矢印方向へ電流を流し、サイリスタはそのダイオードの整流機能にターンオン機能もついている(一度ターンオンすると、負電圧が印加されるまでターンオフしない)。

(1)はダイオードが一つだけ右向きについているので、電圧が正の時のみ電流を流す半波整流回路となる。

(2)はサイリスタが一つだけ右向きについているので、電圧が正の時で、ターンオンしてから電流を流す半波整流の位相制御回路となる。

(3)はサイリスタが並列に逆方向についているので、電圧が正の時も、負の時も、ターンオンしてから電流を流す位相制御回路となる。今回の回路ではサイリスタが二つでターンオン信号もそれぞれついているが、実質的にトライアックの特性①の通り、トライアックと同様の波形が得られる。

(4)はダイオードにより整流され、入力電圧が正の時にも、入力電圧が負の時にも、抵抗負荷に対して電流の流れる向きは同じであり、出力電圧は常に正となる。これを全波整流回路という。

(5)は(4)の特性+サイリスタによるターンオン機能が付加されるので、全波整流に位相制御さえた回路である。

したがって、設問の出力が得られるのは(3)である。

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