RL回路(インピーダンス・電流)解答

正解:(5)

解説:RLC回路において、回路全体のインピーダンスを計算する時には、そのまま足し算できないことに注意する。抵抗成分はそのままR[Ω]として足し算OK、コイル成分は電流を遅らせるので、90°進ませてjを掛けて、jXL[Ω]とする。また、今回は出てきてないが、コンデンサ成分は電流を進ませるので、90°遅らせて-jを掛けて、-jXC[Ω]とする。

余談だが、電流を90°遅らせるために、抵抗を90°進ませてjを掛けるという、一見意味不明だが、基本のオームの法則V=RIで考えると分かりやすい。まず、コイルは電圧に対して電流を遅らせるという性質があるが、ここで、RにjXLを代入すると、V= jXLI

I= V/jXL=-j V/XLとなり、電流が電圧に対して90°遅れていることが分かる。抵抗と電流は反比例の関係があるので、電流を遅らせたければ、抵抗を進めさせる。逆もしかりである。

インピーダンスさえ正しく導出できれば、あとは複素数の計算をコツコツしていけばよい。

分母にR+jXLがあるときには、分母の複素数表示を失くすために、虚数部の符号を反転させたR-jXLを分子分母に掛ける。((a+b)(a-b)=a²-b²を利用する。)ここで複素数の計算でj²=-1であることを忘れがちなので、気をつけて欲しい。また、複素数と三角関数の変換より、R-jXL=$\sqrt{R^2+{X_L}^2}$(cosθ-jsinθ)と表現出来るので、正解は(5)

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