解説:送電端相電圧を$\dot{E_s}$[V] , 受電端相電圧を$\dot{E_r}$[V] , 線電流を$\dot{I}$[A], 負荷力率角をθ, 送電端相電圧と受電端相電圧の相差角をδ, 1相あたりの線路リアクタンスをX[Ω]とした時、受電端相電圧$\dot{E_r}$[V]を基準にした時のベクトル図は下図の様になる。
図中の線分abの大きさは、線路リアクタンスによる電圧降下から目線ではXIcosθであり、送電端相電圧目線では$E_s$sinδであり、
XIcosθ=$E_s$sinδ・・・①
となる。
送電端相電圧$\dot{E_s}$[V]は受電端相電圧$\dot{E_r}$[V]と線路リアクタンスによる電圧降下$jX\dot{I}$[V]との和であるので、線路リアクタンスの分だけ無効電力を供給し、受電端よりも高い電圧を送電する必要があるが、送電端有効電力と受電端有効電力は等しい。
1相あたりの有効電力を$P_1$とすると、
$P_1=E_r$Icosθ[W]・・・②
ここで、先ほどの①を利用して②へ代入すると、
$P_1=$$\frac{E_sE_r}{X}sinδ$[W]
三相3線式での有効電力を$P_3$とすると、
$P_3=3P_1=$$\frac{3E_sE_r}{X}sinδ$[W]
ここで、相電圧を線間電圧に変換すると、$V_r=\sqrt{3}E_r , V_s=\sqrt{3}E_s$なので、
$P_3=$$\frac{V_sV_r}{X}sinδ$[W]