解説:日本も含め、世界中で建設されている主流の発電用原子炉である軽水炉は、冷却材および減速材に軽水(普通の水:H₂Oである。重水D₂Oと区別するために軽水と呼んでいる)を使用し、核燃料に低濃縮ウランを用いている。軽水炉には、原子炉内で軽水を沸騰させることで直接蒸気を発生させ、それをタービンに供給する沸騰水型原子炉と、原子炉からは一次循環系として高温・高圧の温水(軽水)が循環し、蒸気発生器により熱交換して二次側系統で蒸気を発生しタービンに供給する加圧水型原子炉がある。一時系統を循環する高温・高圧の温水は300℃程度あり、圧力が16MPa程度の高圧がかかっているため、一般的な大気圧沸点100℃で蒸発せず、300℃でも液体の状態を保っている。この300℃温水が、蒸気発生器で熱交換して水蒸気を作る。水で水を沸騰させるという、面白いシステムである。