ガスタービン発電の概要①解答

正解:(5)

解説:手巻き発電機付きラジオなどを実際に手で回したことがある人もいると思うが、発電所でも結局やっていることは同じ。手巻きではなく、より大きな力を使って発電機を回している。今回は燃焼した高温・高圧ガスをタービン回転動力源としている。

ガスタービン発電所(開放サイクル)における大枠の流れは下記通り。

①(ア:圧縮機)により吸気した空気を圧縮し、高温・高圧の空気を作る。

②圧縮機で作られた高温・高圧の空気を(イ:燃焼器)で加熱し、更に高温にする。この時、圧力変化はせず、同じ圧力で温度を上昇させることで、体積膨張させる。(ボイル・シャルルの法則①参照)

③燃焼器で体積膨張した高温・高圧の燃焼ガスにより(ウ:タービン)を回転させ、これと回転軸で繋がる(エ:発電機)を回転させて発電する。ちなみに、タービンと発電機だけでなく、圧縮機も同じ回転軸で繋がっており、タービンの回転に応じて圧縮空気が燃焼器へ運ばれる。

④タービンで仕事を終えた燃焼ガスが大気へ排気される。

ここで、私が生じた疑問、圧縮機は必要なのか?ということ。

圧縮機でも機械的なエネルギー損失があるはずなので、無理に圧縮機を通さなくても、シンプルに燃焼器で加熱して高温・高圧ガスを作れば、より熱効率がいいのではないかと考えた。

例えば下の図のように燃焼器の吸気側を大気に開放する。

すると、燃焼器内で発生した高温・高圧ガスは(実際には高圧まで行く前に)タービン側よりも、より空気抵抗が小さい開放された吸気側に逆流して終わりである。

次に、下の図のように燃焼器の吸気側を閉鎖して、高温・高圧ガスがタービン側にだけ流れるようにする。

すると、一次的に燃焼するが、吸気を閉鎖しているので、空気がすぐ不足して、燃焼器内での燃焼が終了する。

上記、2つの事象より、吸気は必要でかつ、逆流しない(タービン側へ流れる)ように高圧な吸気が必要となる。ゆえに圧縮機で吸気を高圧にしてから燃焼器へ送る必要がある。このとき、圧縮機はタービン軸と繋がっており、タービンは発電とともに圧縮空気を作るためにも回っている。つまり、回転数が少ない時にはそれに応じた少ない圧縮空気が、回転数が多い時にはそれに応じた多い圧縮空気が燃焼器に入ってくることになり、システムとしても理にかなった形になっている。

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