解説:手巻き発電機付きラジオなどを実際に手で回したことがある人もいると思うが、発電所でも結局やっていることは同じ。手巻きではなく、より大きな力(蒸気など)を使って発電機を回している。
今回の汽力発電所における大枠の流れは下記通り。
①(ア:ボイラ)で水を加熱して水蒸気をつくる。石炭や石油、天然ガスなどを燃料として燃焼させることで加熱する。
②ボイラで作られた蒸気を使い(イ:タービン)を回転させる。このタービンと(オ:発電機)の回転軸が繋がっており、タービンが回ると発電機を回して発電する。
③タービンで仕事を終えた水蒸気は(ウ:復水器)で冷却水により冷やされて、水に戻る。
④復水器で戻った水は(エ:ポンプ)によって搬送され、再度ボイラへ行く。以降は①~④までの繰り返し。
実際には、タービンが高圧・中圧・低圧など複数に分かれていたり、ボイラへ搬送される水が道中で加熱されたり、ボイラ内で過熱器や再熱器、節炭器のセクションに分かれていたりするため、今回示した図に色々とトッピングが加わり、もっと複雑なシステム図を目にして難しそうと感じた方もいると思う。
ただ、大きな目的は“発電機を回す”ことで、そのために水と蒸気を循環させている。その中で、発電システムの効率を向上させるために色々と工夫をした結果、複雑そうに見えるシステム図になっているだけである。
まずは、大きな流れを理解して、追加のトッピングは何を(どのセクションの効率向上を)目的しているのか1つ1つ読み解いていけば、楽しくなっていくと思う。