地絡保護の不必要動作①解答

正解:(3)

解説:静電容量②にあるように、コンデンサは電極面積に比例する。ケーブルと大地もその間にある空気を挟んだ一種のコンデンサのように考えることができ、面積はケーブル長さが長い程大きくなる。よって、ケーブルの対地静電容量はケーブル長に比例し、静電容量を小さくしたい場合は、ケーブル長を短くすればよい。

保護協調の観点から、ある地点で発生した事故(地絡など)に対しては、その直上にあるブレーカーを遮断し、接続系統への波及を抑制する必要がある。ある需要家内で発生した地絡に対しては、需要家内の継電器により、地絡を感知し、ブレーカーを遮断させる必要がある。ただし、通常の地絡継電器は、行きと帰りの電流の差が発生した場合に電流の漏れ、つまり地絡や漏電を感知してブレーカーを動作させる。つまり、自分の構内で発生した地絡なのか、系統側で発生した地絡なのかを判別できず、両方の場合でブレーカーを遮断させてしまう。これは、系統内で、他の需要家B構内で発生した地絡に対してもある需要家Aでもブレーカーを遮断してしまい、本来問題ないはずで遮断してしまう不必要動作である。

ここで登場するのが地絡方向継電器であり、これは発生した地絡が自分の構内での事故か、系統側の事故かの判別が出来るため、不必要動作を防止することができる。

また、需要家側のケーブル長を短くすることで、系統側で起きた地絡事故に対して、自分の構内ケーブルによる地絡電流を極めて小さくすることができるため、こちらも不必要動作防止に寄与する。

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