解説:有効電力,無効電力,皮相電力②より、無効電力=有効電力×tanθとなる。負荷Aにおいて$cosθ_A$=0.6なので、三角関数の公式②より$sinθ_A$=0.8となる。同様に、$cosθ_B$=0.8なので、$sinθ_B$=0.6。また、同じく三角関数の公式②より、$tanθ_A=\frac{sinθ_A}{cosθ_A}=\frac{0.8}{0.6}=\frac{4}{3}$、$tanθ_B=\frac{sinθ_B}{cosθ_B}=\frac{0.6}{0.8}=\frac{3}{4}$、有効電力$P_A$=60[kW]、$P_B$=80[kW]であるので、無効電力$Q_A$=60×4/3=80[kvar]、$Q_B$=80×3/4=60[kvar]となる。したがって、合成負荷に対する有効電力は$P_{AB}$=60+80=140[kW]、無効電力は$Q_{AB}$=80+60=140[kvar]となるので、総合負荷容量は$S_{AB}=\sqrt{{P_{AB}}^2+{Q_{AB}}^2}=\sqrt{140^2+140^2}$≒198[kV・A]であり、総合力率$cosθ_{AB}=\frac{P_{AB}}{S_{AB}}=\frac{140}{198}$≒0.707→70.7[%]
※単純にそれぞれの負荷容量[kW]を力率で割り戻して負荷容量[kV・A]を求め、それぞれの負荷容量[kV・A]同士を足し算するのはNG。なぜなら、力率が異なる負荷はベクトルの方向が異なることを意味し、正しくベクトルの足し算をするためには、x,y成分をそれぞれ足し合わせる必要があるためである。電力で言うと、有効電力成分と無効電力成分をそれぞれ足し合わせてから、皮相電力を求める必要がある。