特殊施設(電気防食施設)解答

正解:(1)

解説: 地中や水中に施設する金属体や、その他の場所に施設する機械器具の金属製部分の腐食を防止するために設ける施設である。電源を必要としないマグネシウム陽極のような犠牲陽極などを設置する場合もある。

電気防食施設については電技解釈第199条で下記の通り規定されている。

地中若しくは水中に施設される金属体、又は、地中及び水中以外の場所に施設する機械器具の金属製部分(以下この条において「被防食体」という。)の腐食を防止するため、地中又は水中に施設する陽極と被防食体

との間に電気防食用電源装置を使用して防食電流を通じる施設(以下この条において「電気防食施設」という。)は、次の各号によること。

一 電気防食回路(電気防食用電源装置から陽極及び被防食体までの電路をいう。以下この条において同じ。)は、次によること。(関連省令第56条第1項、第57条第1項)

使用電圧は、直流60V以下であること。

ロ 電線を架空で施設する部分は、次によること。

(イ) 低圧架空電線に係る第67条、第68条、第71条から第77条まで及び第79条の規定に準じて施設すること。

(ロ) 電線は、ケーブル、又は直径2mmの硬銅線と同等以上の強さ及び太さの屋外用ビニル絶縁電線以上の絶縁効力のあるものであること。

(ハ) 電気防食回路の電線と低圧架空電線とを同一支持物に施設する場合は、電気防食回路の電線を下として別個の腕金類に施設し、かつ、電気防食回路の電線と低圧架空電線との離隔距離は、0.3m以上であること。ただし、電気防食回路の電線又は低圧架空電線がケーブルである場合は、この限りでない。

(ニ) 電気防食回路の電線と高圧架空電線又は架空弱電流電線等とを同一支持物に施設する場合は、それぞれ低圧架空電線に係る第80条又は第81条の規定に準じて施設すること。ただし、電気防食回路の電線が600Vビニル絶縁電線又はケーブルである場合は、電気防食回路の電線を架空弱電流電線等の下とし、架空弱電流電線等との離隔距離を0.3m以上として施設することができる。

ハ 電線を地中に施設する部分は、次によること。

(イ) 第120条第1項から第3項まで(第2項第二号を除く。)及び第121条の規定に準じて施設すること。

(ロ) 電線は、直径2mmの軟銅線又はこれと同等以上の強さ及び太さのものであること。ただし、陽極に附属する電線には、直径1.6mmの軟銅線又はこれと同等以上の強さ及び太さのものを使用することができる。

(ハ) 電線は、600Vビニル絶縁電線、クロロプレン外装ケーブル、ビニル外装ケーブル又はポリエチレン外装ケーブルであること。

(ニ) 電線を直接埋設式により施設する場合は、電線を被防食体の下面に密着して施設する場合を除き、埋設深さを車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所においては1.2m以上、その他の場所においては0.3m以上とし、かつ、電線の上部及び側部を石、コンクリート等の板又はといで覆って施設すること。

ただし、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがない場所において、埋設深さを0.6m以上とし、かつ、電線の上部を堅ろうな板又はといで覆って施設する場合は、この限りでない。

(ホ) 立上り部分の電線のうち、深さ0.6m未満の部分は、人が触れるおそれがなく、かつ、損傷を受けるおそれがないように適当な防護装置を設けること。

ニ 電線のうち、地上の立上り部分は、ハ(ロ)及び(ハ)の規定に準じるほか、地表上2.5m未満の部分には、人が触れるおそれがなく、かつ、損傷を受けるおそれがないように適当な防護装置を設けること。

ホ 電線を水中に施設する部分は、次によること。

(イ) 電線は、ハ(ロ)及び(ハ)に規定するものであること。

(ロ) 電線は、電気用品安全法の適用を受ける合成樹脂管若しくはこれと同等以上の絶縁効力及び強さのある管又は電気用品安全法の適用を受ける金属管に収めて施設すること。ただし、電線を被防食体の下面若しくは側面又は水底で損傷を受けるおそれがない場所に施設する場合は、この限りでない。

二 陽極は、次のいずれかによること。

イ 地中に埋設し、かつ、陽極(陽極の周囲に導電物質を詰める場合は、これを含む。)の埋設の深さは、0.75m以上であること。

ロ 水中の人が容易に触れるおそれがない場所に、次のいずれかに適合するように施設すること。

(イ) 水中に施設する陽極とその周囲1m以内の距離にある任意点との間の電位差は、10Vを超えないこと。

(ロ) 陽極の周囲に人が触れるのを防止するために適当なさくを設けるとともに、危険である旨の表示をすること。

三 地表又は水中における1mの間隔を有する任意の2点(水中に施設する陽極の周囲1m以内の距離にある点及び前号ロ(ロ)の規定により施設するさくの内部の点を除く。)間の電位差は、5Vを超えないこと。

四 電気防食用電源装置は、次に適合するものであること。

イ 堅ろうな金属製の外箱に収め、これにD種接地工事を施すこと。(関連省令第10条、第11条)

ロ 変圧器は、絶縁変圧器であって、交流1,000Vの試験電圧を1の巻線と他の巻線、鉄心及び外箱との間に連続して1分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。(関連省令第5条第3項)

1次側電路の使用電圧は、低圧であること。

ニ 1次側電路には、開閉器及び過電流遮断器を各極(過電流遮断器にあっては、多線式電路の中性極を除く。)に設けること。ただし、過電流遮断器が開閉機能を有するものである場合は、過電流遮断器のみとすることができる。(関連省令第63条第1項)

2 電気防食施設を使用することにより、他の工作物に電食作用による障害を及ぼすおそれがある場合には、これを防止するため、その工作物と被防食体とを電気的に接続する等適当な防止方法を施すこと。

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