RLC平衡三相負荷(過去問にチャレンジ)解答

正解:(a)(2)、(b)(2)

解説

(a):答えまでの方針は、負荷側をY形に変換し、1相あたりのインピーダンスを求め、力率が1より、インピーダンスの虚数部=0の方程式からL[H]を求めていく。

まずは、Δ-Y変換すると、Δ-Y変換③の様に、1相あたり抵抗Rと静電容量3C[F]のコンデンサの並列回路ができる。また、ここにL[H]のコイルが直列接続されているので、

1相あたりのインピーダンスは、
$\dot{Z}=jωL+\frac{1}{\frac{1}{R}+j3ωC}=jωL+\frac{R}{1+j3ωRC}$$=jωL+\frac{R(1-j3ωRC)}{1+9(ωRC)^2}$
虚数部=0であるので、$ωL+\frac{-3ωR^2C}{1+9(ωRC)^2}=0$より、$ωL=\frac{3ωR^2C}{1+9(ωRC)^2}$したがって、$L=\frac{3R^2C}{1+9(ωRC)^2}$となるので、正解は(2)

(b):答えまでの方針は、(a)で求めた1相あたりのコンデンサ3C[F]と抵抗R[Ω]の並列回路に印加する電圧を求め、実際に問われているのは線間電圧であるので、√3倍して、答えを導く。

まず、1相あたりのインピーダンスは、(a)のうち虚数部=0なので、$\dot{Z}=\frac{R}{1+9(ωRC)^2}$である。

この$\dot{Z}$に対する、コンデンサ3C[F]と抵抗R[Ω]の並列回路のインピーダンスの比により並列回路への印加電圧が分かる。また、相電圧はV/√3であるので、
$\frac{V}{\sqrt{3}}×\frac{\frac{R}{1+j3ωRC}}{\frac{R}{1+9(ωRC)^2}}=\frac{V}{\sqrt{3}}×(1-j3ωRC)$
よって、電圧の大きさは、
$\frac{V}{\sqrt{3}}×\sqrt{1+9(ωRC)^2}$
最後に、√3を掛けて、
$V×\sqrt{1+9(ωRC)^2}$
したがって、正解は(2)

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