供給計画①解答

正解:(5)

解説:電気事業法第29条では、広域的運営に関する第4款:供給計画について下記の通り規定されている。

1.電気事業者は、経済産業省令で定めるところにより、毎年度、当該年度以降経済産業省令で定める期間における電気の供給並びに電気工作物の設置及び運用についての計画(以下「供給計画」という。)を作成し、当該年度の開始前に(電気事業者となった日を含む年度にあっては、電気事業者となった後遅滞なく)、推進機関を経由して経済産業大臣に届け出なければならない。

2.推進機関は、前項の規定により電気事業者から供給計画を受け取つたときは、経済産業省令で定めるところにより、これを取りまとめ、送配電等業務指針、広域系統整備計画及びその業務の実施を通じて得られた知見に照らして検討するとともに、意見(供給能力の確保のために必要な措置に関するものを含む。)があるときは当該意見を付して、当該年度の開始前に(当該年度に電気事業者となった者に係る供給計画にあっては、速やかに)、経済産業大臣に送付しなければならない。

3.電気事業者は、供給計画を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を推進機関を経由して経済産業大臣に届け出なければならない。

4.第二項の規定は、前項の場合に準用する。この場合において、第二項中「これを取りまとめ、」とあるのは「これを」と、「当該年度の開始前に(当該年度に電気事業者となった者に係る供給計画にあっては、速やかに)」とあるのは「速やかに」と読み替えるものとする。

5.経済産業大臣は、第二項(前項において準用する場合を含む。)の規定による推進機関の意見を踏まえ、供給計画が広域的運営による電気の安定供給の確保その他の電気事業の総合的かつ合理的な発達を図るため適切でないと認めるときは、電気事業者に対し、その供給計画を変更すべきことを勧告することができる。

6.経済産業大臣は、前項の規定による勧告をした場合において特に必要があり、かつ、適切であると認めるときは、電気事業者に対し、次に掲げる事項を命ずることができる。ただし、第一号に掲げる事項は送電事業者に対して、第二号に掲げる事項は小売電気事業者、発電事業者及び特定卸供給事業者に対して、第三号に掲げる事項は送電事業者、発電事業者及び特定卸供給事業者に対しては、命ずることができない。

一 小売電気事業者、一般送配電事業者、配電事業者又は特定送配電事業者に電気を供給すること。

二 振替供給を行うこと。

三 電気の供給を受けること。

四 電気事業者に電気工作物を貸し渡し、若しくは電気事業者から電気工作物を借り受け、又は電気事業者と電気工作物を共用すること。

五 前各号に掲げるもののほか、広域的運営を図るために必要な措置として経済産業省令で定めるものをとること。

電力広域的運営推進機関(OCCTO)は、その名の通り、電力運用を部分最適ではなく、全体最適を目的としてバランスを取るために2015年4月に発足した法人であり、電気事業者が営む電気事業に係る電気の需給の状況の監視、電気の安定供給のために必要な供給能力の確保の促進及び電気事業者に対する電気の需給の状況が悪化した他の小売電気事業者、一般送配電事業者、配電事業者又は特定送配電事業者への電気の供給の指示等の業務を行うことにより、電気事業の遂行に当たっての広域的運営を推進している。

通常、届出書類などは官公庁へ直接提出するのが一般的だが、広域的運営に関する届出書類は推進機関(OCCTO)を経由して経産省大臣へ提出することになっている。

例えば、少量危険物設置届を消防へ提出する場合は、その保管数量と保管方法が安全に管理されているか、ということを1つの物件ごとに個別判断できるので、直接消防(官公庁)へ届出しても問題ないが、電力の広域的運営については、連系する電力系統の実情を踏まえた上で、どのように全体最適するかを判断する必要があるため、1の事業者が直接経産省大臣に届出しても善し悪しが判断できない。そこで、それを連系される側の全体的なバランスを見るために、まずは推進機関(OCCTO)に確認を委託している。

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