電流計の内部抵抗(過去問にチャレンジ)解答

正解:(a)(5)、(b)(3)

解説

(a):電流計自体にも微小ながら抵抗が存在し(これを内部抵抗という)、内部抵抗をメーターから切り離して表現すると、図のように電流メーターと内部抵抗rで表現できる。

電流計A₁とA₂を並列接続した時には図のような回路構成となり、電流Iが電流計A₁側と電流計A₂側へ分流する。この時、分流する電流の比は並列回路①の通り、並列回路では、抵抗の逆数に比例して分流される。したがって、

I₁:I₂=$\frac{1}{r_1}:\frac{1}{r_2}$=r₂:r₁

与条件の通り、内部抵抗r₁=0.8×10-3Ω、r₂=0.32×10-3Ωであるので、

I₁:I₂=r₂:r₁=0.32×10-3:0.8×10-3=32:80=2:5

今回の条件に合わせて、比を変形すると、

I₁:I₂=2:5=50:125=40:100

つまり、電流計A₁が最大目盛である50[A]流す時には、電流計A₂には125[A]流れることになり、これはA₂の最大目盛を超えているので、測定不可。よって、電流計A₂の最大値に合わせる必要があり、電流計A₂に最大目盛である100[A]流れる時には、電流計A₁には40[A]流れ、これは電流計A₁の測定範囲内(≦50[A])なので、問題ない、

したがって、100+40=140[A]が測定できる最大電流である。正解は(5)140

(b):電流計A₁(最大目盛50[A])と電流計A₂(最大目盛100[A])で、最大目盛がA₂の方が2倍大きいので、電流もA₂側に2倍流れるようにすれば、お互いの最大値である150[A]の電流を測定することができる。つまり、

I₁:I₂=$\frac{1}{r_1}:\frac{1}{r_2}$=r₂:r₁=1:2であればよい。

電流計A₁側は抵抗の変更がなく、0.8×10-3Ωのままなので、

r₂:r₁=r₂:0.8×10-3=1:2

2 r₂=0.8×10-3

r₂=0.4×10-3

したがって、電流計A₂側の抵抗が0.4×10-3[Ω]だけあればよいが、内部抵抗だけだと0.32×10-3[Ω]しかないので、不足している0.08×10-3[Ω]の抵抗を直列に接続すればよい。最後に、0.08×10-3[Ω]を選択肢と同じ小数点の位置に合わせて、8.0×10-5[Ω]であるので、正解は(3)である。

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