鉄損①解答

解説:無負荷損は鉄損がほとんどであり、これは負荷に無関係で一定の損失である。

鉄損の中には、ヒステリシス損や渦電流損などがあり、鉄心材質による比例定数をK₁、鉄心の比抵抗による比例定数をK₂、周波数をf、最大磁束密度を$B_m$、鉄心に用いる鋼板の厚さをtとすると、

ヒステリシス損=$K_1fB_m^2$

渦電流損=$K_2f^2B_m^2t^2$

と表現出来る。

変圧器の鉄心も直流機が渦電流による損失を嫌うのと同様に(参考:直流機の構造②)、薄い鋼板を積層させた構造となっているが、ヒステリシス損は最終的に組み合わされた鉄心としての特性なので、積層構造はほぼ関係ない(鋼板厚さtに関係ない)。一方で、渦電流損は薄い鋼板の厚さの影響を受け、その2乗に比例する。つまり、薄鋼板の薄さを半分にすると、渦電流損は4分の1に減るので、効果が大きい。

また、ヒステリシス損も渦電流損も基本的に構成する材質や形状に依存するが、両方とも電源周波数にも影響されてことを覚えておく。負荷変動に対しては一定だが、周波数変動すると鉄損も変動する。

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