送電端相電圧を$\dot{E}_s$[V] , 受電端相電圧を$\dot{E}_r$[V] , 線電流を$\dot{I}$[A], 負荷力率角をθ, 1相あたりの線路抵抗をR[Ω]、1相あたりの線路リアクタンスをX[Ω]とした時、送電線路1相あたりの電圧降下⊿Eは近似式を利用して、
⊿E=$E_s-E_r=RIcosθ+XIsinθ$
と表せる。また、三相3線式の場合、線間電圧の電圧降下⊿Vも近似式を利用して、
⊿V=$\sqrt{3}(RIcosθ+XIsinθ)$
と表せる。この両辺に受電端線間電圧値$V_r$を掛けると、
$⊿V・V_r=\sqrt{3}(RIcosθ+XIsinθ)・V_r$$=\sqrt{3}V_rRIcosθ+\sqrt{3}V_rXIsinθ$・・・①
ここで、受電端三相分の有効電力を$P_{3r}$とし、受電端三相分の無効電力を$Q_{3r}$とすると、
$P_{3r}$=(ア)
$Q_{3r}$=(イ)
であるので、これを①に代入して、
$⊿V・V_r$=(ウ)
と表すことができる。最後に両辺を$V_r$で割り、
⊿V=(エ)
と表せるので、送電線路の電圧降下は送電線路抵抗及び線路リアクタンスに加え、受電端での線間電圧と有効電力、無効電力が分かれば、算出できる。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)に当てはまる組合せとして、最も適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ア | イ | ウ | エ | |
(1) | $V_rIcosθ$ | $V_rIsinθ$ | $\sqrt{3}P_{3r}R+\sqrt{3}Q_{3r}X$ | $\sqrt{3}・\frac{P_{3r}R+Q_{3r}X}{V_r}$ |
(2) | $3V_rIsinθ$ | $3V_rIcosθ$ | $\frac{1}{\sqrt{3}}P_{3r}X+\frac{1}{\sqrt{3}}Q_{3r}R$ | $\frac{P_{3r}X+Q_{3r}R}{\sqrt{3}V_r}$ |
(3) | $3V_rIcosθ$ | $3V_rIsinθ$ | $\frac{1}{\sqrt{3}}P_{3r}R+\frac{1}{\sqrt{3}}Q_{3r}X$ | $\frac{P_{3r}R+Q_{3r}X}{\sqrt{3}V_r}$ |
(4) | $\sqrt{3}V_rIsinθ$ | $\sqrt{3}V_rIcosθ$ | $P_{3r}X+Q_{3r}R$ | $\frac{P_{3r}X+Q_{3r}R}{V_r}$ |
(5) | $\sqrt{3}V_rIcosθ$ | $\sqrt{3}V_rIsinθ$ | $P_{3r}R+Q_{3r}X$ | $\frac{P_{3r}R+Q_{3r}X}{V_r}$ |