解説:発電所から需要家に至るまでには、電力は配電用変電所や高圧配電線路、柱上変圧器、低圧配電線路などを経由する。最終目的地である需要家に到着する際には、供給電圧基準①の通り、基準を満たす電圧で供給する必要がある。そのため、各施設で電圧調整がなされている。
・配電用変電所では、負荷時タップ切換変圧器(LRT)や負荷時電圧調整器(LRA)などにより、高圧配電線の送電電圧を規定電圧に保持する。
・高圧配電線路では、高圧自動電圧調整器(SVR:Step Voltage Regulatorなので、ステップ電圧調整器と呼ばれたり、呼び方が少し変わることがあるが本質は同じ)により電圧調整したり、電力用コンデンサを線路に並列にいれ力率を改善することで、流れる電流を減少させ、電圧降下を軽減させたりする方法がある。ただし、軽負荷時にはフェランチ効果により需要家側の電圧が過剰に高くなるので、軽負荷時には開閉器により電力用コンデンサを切り離す必要がある。
・柱上変圧器では、定格電圧を中心電圧として、5個程度タップ電圧があるので、必要に応じてタップ調整により電圧を調整する。