解説
ベース供給力を担う、大容量の電力発電所(汽力発電所や原子力発電所など)は、定格出力運転を継続することが効率上好ましいので、日中は電力を需要場所へ供給するが、夜間など軽負荷時には、余剰電力を利用して高所へ揚水し、翌日以降の日中でピーク負荷時にその揚水した水で水力発電を行うものを揚水発電という。
揚水発電には、揚水先の上部貯水池に河川からの流入がほとんどなく、下部貯水池の水を揚水して発電する純揚水発電所と、上部貯水池に河川の水の流入があり、下部貯水池の揚水と併用する混合揚水発電所に分類される。また、夜間と日中といった1日単位での日間調整式の揚水発電の他にも、週単位での負荷変動に対応する週間調整式や、1年を通した季節による負荷変動にも対応する年間調整式の揚水発電もある。