架空送電線路の構成③(過去問にチャレンジ)解答

正解:(2)

解説

(1)アークホーン:架空送電線路の構成①の通り、架空送電線路を鉄塔等で支持する際に、直接鉄塔等から電線を支持すると絶縁がとれないので、がいしを介して電線を支持することで、絶縁する。ただし、がいしは雷による異常電圧に耐えるのは困難であるので、がいしの両端にアークホーンという突き出した金具を取り付け、フラッシオーバが発生する際にアークホーン間でアークを発生させ、がいしが破損するのを防止する。正解。

(2)トーショナルダンパ:架空送電線路の構成①の通り、支持点付近にストックブリッジダンパやトーショナルダンパなどのダンパを取り付けることで、微風による振動のエネルギーを吸収して振動を防止する。したがって、着雪防止が目的ではないので、誤り。

ちなみに、氷雪が付着した状態で強い風を受けると、ギャロッピングという振動が発生し、電線に付着した氷雪が落下した際にスリートジャンプという電線のはね上がりが発生する。

このギャロッピングやスリートジャンプは架空送電線への氷雪付着が原因なので、雪の付着を防止するために難着雪電線を採用したり、電線に難着雪リングを取り付けたり、ねじれ防止ダンパを取り付けて、電線に付着した雪が回転成長するのを防いだりなどの対策もとられる。

(3)アーマロッド:架空送電線路の構成①の通り、がいしで電線を支持する部分は、電線と同一材料の金属を電線に巻き付けて補強する必要がある。この補強をアーマロッドといい、アークによる電線の溶断や振動疲労による電線の素線切れを防止する。正解。

(4)相間スペーサ:架空送電線路の構成②の通り、架空送電線路は強風や氷雪、電磁力などの影響を受け、電線同士が近接、衝突するおそれがあるあり、これを防止するために、電線相互間隔を保持する器具であるスペーサを設ける。正解。

(5)埋設地線:架空送電線路の構成②の通り、鉄塔などへ落雷が発生した時に、雷電流は鉄塔の脚部を通して大地に流れる。雷電流をI[A]、鉄塔脚部抵抗をR[Ω]とすると、鉄塔の電位はV=RI[V]となる。この電位が高いと鉄塔から電線へ逆フラッシオーバが起こる可能性があるため、抵抗R[Ω]を出来るだけ小さくし、落雷時の鉄塔の電位を低くするために、地中に埋設地線を施す。正解。

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