解説:架空送電線路は強風や氷雪、電磁力などの影響を受け、電線同士が近接、衝突するおそれがあるあり、これを防止するために、電線相互間隔を保持する器具であるスペーサを設ける。
鉄塔などへ落雷が発生した時に、雷電流は鉄塔の脚部を通して大地に流れる。雷電流をI[A]、鉄塔脚部抵抗をR[Ω]とすると、鉄塔の電位はV=RI[V]となる。この電位が高いと鉄塔から電線へ逆フラッシオーバが起こる可能性があるため、抵抗R[Ω]を出来るだけ小さくし、落雷時の鉄塔の電位を低くするために、地中に埋設地線を施すとよい。
ちなみに、通常のフラッシオーバは、雷等により送電線路が高電圧になり、がいしの絶縁が破壊され、鉄塔などへ電流が流れ込むことであり(送電線→鉄塔)、今回設問で取り上げた逆フラッシオーバは、その逆(鉄塔→送電線)である。