架空送電線路の構成①解答

正解:(5)

解説

架空送電線路を鉄塔等で支持する際に、直接鉄塔等から電線を支持すると絶縁がとれないので、がいしを介して電線を支持することで、絶縁する。ただし、がいしは雷による異常電圧に耐えるのは困難であるので、がいしの両端にアークホーンという突き出した金具を取り付け、フラッシオーバが発生する際にアークホーン間でアークを発生させ、がいしが破損するのを防止する。

がいしで電線を支持する部分は、電線と同一材料の金属を電線に巻き付けて補強する必要がある。この補強をアーマロッドといい、アークによる電線の溶断や振動疲労による電線の素線切れを防止する。また、支持点付近にストックブリッジダンパやトーショナルダンパなどのダンパを取り付けることで、微風による振動のエネルギーを吸収して振動を防止する。また、微風による振動の他にも氷雪が付着した状態で強い風を受けると、ギャロッピングという振動が発生し、電線に付着した氷雪が落下した際にスリートジャンプという電線のはね上がりが発生する。

ちなみに、ギャロッピングやスリートジャンプは架空送電線への氷雪付着が原因なので、雪の付着を防止するために難着雪電線を採用したり、電線に難着雪リングを取り付けたり、ねじれ防止ダンパを取り付けて、電線に付着した雪が回転成長するのを防いだりなどの対策もとられる。

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