解説:まず、百分率リアクタンスは%インピーダンス①と同様に、定格電流が流れた時のリアクタンスによる電圧降下を基準電圧に対して%(百分率)で表したものである。インピーダンスは抵抗分(有効抵抗)やリアクタンス分(無効抵抗)も含めた広義の抵抗値のことであり、そのうち、リアクタンス分だけを抽出して考えているのが、百分率リアクタンス(%リアクタンス)である。なので、解法は%インピーダンスの時と同じで、定格電流と基準電圧、リアクタンス値から算出できる。
<定格電流I>
有効電力,無効電力,皮相電力③の通り、三相交流では皮相電力3S=$\sqrt{3}$VI[V・A]であり、問題文の通り、容量30MV・Aが与えられている。また、1次側に換算した漏れリアクタンスが与条件であるので、基準電圧や定格電流も1次側換算で考える。
皮相電力3S=30[MV・A]=30×10⁶[V・A]
線間電圧V=66[kV]=66×10³[V]
なので、
30×10⁶=$\sqrt{3}$×66×10³×I
I=$\frac{30×10^6}{\sqrt{3}×66×10^3}$≒262.4[A]
<基準電圧>
1次側の相電圧を基準電圧すると、三相交流①の通り、線間電圧=√3相電圧の関係があるので、
E=$\frac{V}{\sqrt{3}}=\frac{66×10^3}{\sqrt{3}}$=38×10³[V]
<リアクタンス>
与条件の通り、14.5Ω
<百分率リアクタンス>
%インピーダンス①の通り、
%Z=$\frac{IZ}{E}$×100[%]であるので、これに代入して
%Z=$\frac{262.4×14.5}{38×10^3}$×100=10.01[%]
したがって、選択肢の中で最も近いのは(3)10% である。