熱効率①解答

正解:(3)

解説:火力発電所における熱効率とは、発生した電力量と消費した燃料とを同じ単位である熱量換算(kJ換算)した時の比である。単純に電力量[kW・h]と燃料質量[kg]だけ比較しても単位が違うので比が取れない。比を取る際には単位を合わせるのが必須科目。分子は発電量が仕事をする時にどれだけの熱量(エネルギー)を持っているかということ。分母は燃料として燃焼させた時にどれだけの熱量(エネルギー)を持っているかということ。発電端熱効率ηが表すものは、燃料が持っているポテンシャル(熱量=エネルギー)のうち、最終的に電力量として取り出せた熱量(=エネルギー)はどれだけだったかということ。発電端熱効率をη[%]を式で表現すると、

$η=\frac{発生電力量[kW・h]×3,600[kJ/kW・h]}{燃料消費量[kg]×燃料の発熱量[kJ/kg]}$×100[%]←3,600[kJ/kW・h]について、1Jとは1Wの電力を1秒間流した時のエネルギーのことであり、1[W・h]だと、1時間(3,600秒)の時の熱量なので、1[W・h]=3,600[J]。この両辺を1,000倍(つまりkを付ける)すると1[kW・h]=3,600[kJ]であるので、3,600[kJ/kW・h]となる。ちなみに、他の選択肢で1,200や4,200があったが、空気の比重1,2[kg/m³]や水の比熱4.2[J/℃]など、なんか見たことがある数字に惑わされないように注意する。

また、送電端熱効率η’[%]は所内で消費した電力量も差し引いたときの熱効率であるので、

$η’=\frac{(発生電力量[kW・h]-所内電力量[kW・h])×3,600[kJ/kW・h]}{燃料消費量[kg]×燃料の発熱量[kJ/kg]}$×100[%]

発電所を運営するために使用する電力が発電する電力の大半を占めては、実際に電力系統を介して需要者へ届けられる電力量が少なくなるので、発電施設で使用する電力を低く抑えるというのも大切な要素となる。

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