解説:水力発電所の水車には大きく分けて衝動水車と反動水車の2種類あり、衝動水車では、水圧管の先端がノズルとなっており、有効落差の位置エネルギーを全て運度エネルギーに変換し、その噴流(ノズルから出るジェット)がランナのバケットにぶつけてランナを回転させる。反動水車では、運動エネルギーと圧力エネルギーももつ流水がランナに作用して回転させる。
“衝動”と“衝撃”の言葉が似ているので、混同しないように注意したい。
また、水車のランナを回転させる要因として、運動エネルギーなのか、圧力エネルギーなのか、考え込むと混乱してしまうので、水管から噴出された=圧力は大気圧と等しいので、圧力は無く、全て運動エネルギーに変換されたと理解すると良い。水管中に引き続き存在する反動水車は運動エネルギーだけでなく、水管内での水圧も水車のランナに作用し、回転させる。つまり水管内にいれば、圧力水頭(圧力エネルギー)と速度水頭(運動エネルギー)、水管内にいなければ、速度水頭(運動エネルギー)だけと理解する。