抵抗率と温度係数②(過去問にチャレンジ)解答

正解:(2)

解説:まず、抵抗①の通り、抵抗R=$ρ\frac{ℓ}{S}$、抵抗率ρ=ρ基準(1+αt)となる。問題の条件より、抵抗器で変化するのは温度であるので、
抵抗値R=$ρ\frac{ℓ}{S}$・・・①は抵抗率ρ=ρ基準(1+αt)・・・②に比例して増減する。また、抵抗率は基準温度からの温度差t[℃]によってその値が変わる。②を①に代入して、
R=$ρ_{基準}(1+αt)\frac{ℓ}{S}=R_{基準}(1+αt)$で考える。それぞれの抵抗器は20[℃]を基準温度として、抵抗温度係数をα1[℃-1] 、α2=0[℃-1]としているので、R1(1+α1t)、R2(1+α2t)と表現できる。21[℃]のときの抵抗値は、基準温度20[℃]から1[℃]温度上昇しているので、t=1を代入すればよい。よって、R1(1+α1)、R2(1+α2)となる。ここで、α2=0であるので、R2(1+α2)= R2である(抵抗率温度係数が0だと温度に関係なく抵抗値は一定になる)。r20はR1とR2の並列回路抵抗であるので、$\frac{1}{r_{20}}=\frac{1}{R_1}+\frac{1}{R_2}$より、r20=$\frac{R_1R_2}{R_1+R_2}$である。また、r21はR1(1+α1)とR2の並列回路抵抗であるので、$\frac{1}{r_{21}}=\frac{1}{ R_1(1+α_1)}+\frac{1}{R_2}$より、r21=$\frac{R_1R_2(1+α_1)}{R_1+R_2+α_1R_1}$である。これを問題の式へ代入する。
$\frac{r_{21}-r_{20}}{r_{20}}
=\frac{r_{21}}{r_{20}}-1
=\frac{\frac{R₁R₂(1+α₁)}{ R₁+R₂+α₁R₁}}{\frac{R₁R₂}{R₁+R₂}}-1
=\frac{(1+α₁) (R₁+R₂)}{R₁+R₂+α₁R₁ }-1
=\frac{α₁R₂}{R₁+R₂+α₁R₁}$

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