解説:変圧器の全日効率①より、全日効率=$\frac{1日中の負荷電力}{1日中の負荷電力量+1日中の損失電力量}$である。
また、電力量①より、電力量は消費電力と時間の積で表せる。
力率①にある通り、力率は電流と電圧の位相差であるが、今回は力率100%、つまり電流と電圧に位相差がないため、皮相電力V・Aが消費電力(有効電力)Wと同値となる。
それでは負荷電力量と損失電力量を算出していく。
・1日中の負荷電力量:50[kV・A]×1(力率)×1(全負荷)×8[時間]+50×1×0.5×8+50×1×0×8=400+200+0=600[kW・h]
・1日中の鉄損=1[kW]×24[時間]=24[kW・h]←無負荷の時でも、鉄損は発生しているので、24時間を掛ける必要があることに注意する。負荷がある16時間を掛けると誤った選択肢を選ぶことになる。
・1日中の銅損=3[kW]×1²(利用率の2乗)×8[時間]+3×0.5²×8+3×0²×8=24+6=30[kW・h]←銅損は、鉄損とは違い、電流が流れている時だけ、つまり負荷がある時だけしか発生しないので、最初から無負荷時は計算中で考えなくても良いが、あえて無負荷時も計算式には入れて、0を掛けるという作業をすることで、トータルの時間が24時間になっているかの確認ができるので、どちらでも自分の計算スタイルに合わせて使い分けると良い。
したがって、全日効率=$\frac{600}{600+24+30}=\frac{600}{654}$≒0.917→91.7[%]